先日、「都市病」と都市管理をテーマにした2014中国都市学年会が杭州で開催された。都市生態環境分科フォーラムでは、専門家たちが霧とスモッグがどこから来たのか、なぜスモッグが追い払いにくいのか、「都市病」をどのように治めるのかなどについて検討した。

1スモッグはどこから来たのか

中国気象科学研究院の張小曳副院長研究員は、霧とスモッグはもともと自然界の2つの気象現象だと考えている。従来、霧は植生から排出される大量の炭素含有ガスの可溶性部分であり、自然な過程であった。しかし現在では、霧やスモッグにかかわらず、背後には深刻なエアロゾル汚染が関係している。ここ二三十年来、我が国の中東部地域のスモッグ問題は日増しに深刻化しており、主に人為的に排出される大気エアロゾルが著しく増加したことによるものである。つまり、現在、スモッグであれ霧であれ、その背後には人類の活動に関係するエアロゾル粒子が大量に参加しており、その中には人々がよく言及するPM 2.5が含まれており、完全な自然現象ではない。

大都市では、自動車の排ガス汚染が深刻だ。中国科学院生態環境研究センターの賀泓研究員は、「我が国の都市大気汚染は石炭を主とするエネルギー構造の制約を受け、早期に明らかな煤煙型汚染の特徴を呈しているが、都市部の自動車保有量の急増に伴い、大都市の窒素酸化物汚染は徐々に深刻化しており、これにより我が国の大気汚染はますます複合汚染の様相を呈している。すなわち煤煙型汚染と自動車の排ガス汚染及びその他の汚染が重なって構成されている」と指摘した。

「都市部の大気汚染の中で、都市部の自動車汚染は実際には工業用排ガスによる汚染よりも管理が難しい。工業用排ガス問題は産業のモデルチェンジとエネルギー構造の調整によって解決できるが、自動車排出基準のアップグレードは新車だけを対象としているため、都市部の自動車排ガス汚染制御は長い過程になることは間違いない」と賀泓氏は述べた。

2スモッグの日はなぜ頻繁に発生するのか

なぜ今のスモッグの日はこんなに頻繁なのですか。賀泓氏は、まず、大きな背景には都市化率の向上が速すぎることがあると指摘した。先進国が大気汚染の問題に直面しているように、基本的に都市化率が50%前後の時であり、我が国の都市化率もこの範囲にあることが大きな背景である。

賀泓氏によると、スモッグは頻繁に発生し、その中には気象の外因性があるが、大気複合汚染の内因性をさらに重視している。大気複合汚染の条件下で、大気酸化性の増強、ガス状汚染物の粒子状汚染物への転化が加速し、これこそ我が国の中東部スモッグ事件が頻繁に発生する根本的な原因である。大気中のPM 2.5またはPM 10およびその前駆体汚染物は、現地の気候、地形などの条件によって形成された環境容量を大幅に上回り、持続的な穏やかな天気が発生すると、汚染物が拡散できなくなり、大気中の微粒子が基準を超えてしまう。

なぜスモッグは治りにくいのですか。「これは典型的な複合汚染による大気環境の容量低下のためであり、これに対して、実際に直接的な国際経験が参考になることはなく、これもスモッグが治りにくい原因の一つである」と賀泓氏は述べた。

3ガバナンスには複数の管理が必要

賀泓氏は、我が国のスモッグ発生頻度を下げるには、自動車の排出制御、石炭燃焼ガスの脱硫脱硝、工業排ガス汚染の制御、農畜産業の無組織排出とバイオマス燃焼の削減など、最近4つの方面から制御を強化する必要があると考えている。

「その中で、油製品の品質の向上と自動車排気ガス汚染の制御は優先的な位置に置くべきである。自動車排気ガスが直接スモッグを引き起こすPM 2.5及び前駆物質を排出するため、都市圏の大気スモッグの形成に大きな貢献がある。また、我が国のガソリン車の排出法規には微粒子物質の制限が含まれていないので、できるだけ早くガソリン車の微粒子物質制御技術の研究開発に着手し、新基準立法を支えるべきだ」と賀泓氏は述べた。「汚染物質の種類から言えば、窒素酸化物、揮発性有機物、アンモニアを優先的に制御することが推奨されている。これらの汚染物質はスモッグと密接に関係しているからだ」。

専門家らは同時に、汚染抑制には地域が共同で参加し、国家政策とメカニズムの強力な駆動が必要だと指摘した。